ヒールオゾン治療について
塩素の7倍という高い殺菌力を持つオゾンによって虫歯菌を殺菌するというのがヒールオゾン治療です。ドイツを中心として、ヨーロッパ諸国やアメリカで広く行われています。
従来の虫歯を削って除去する治療とは違い、ヒールオゾン治療では虫歯にオゾンを照射して99%の虫歯菌を殺菌します。痛みがほぼ無いため、麻酔を必要としないことがほとんどです。
ヒールオゾン治療では虫歯をほぼ削りません。そのため、神経にまで達してしまった虫歯でも神経を取らずに残す治療が出来る可能性があるのです。更に、初期虫歯を一切削らずに治療したり、虫歯を予防する効果もあります。

オゾンとは
「オゾン層」「オゾンホール」など、オゾンという言葉は地球温暖化に関連したニュースなどで耳にすることがあるため、聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
地表から11km上空までを対流圏、対流圏から50kmまでを成層圏と言いますが、オゾンはこの成層圏で層を作っています
オゾンは有害な紫外線を吸収するフィルターの役割を果たし、地球上の生物を守っていますが、更に高い殺菌力も持っています。このオゾンの高い殺菌力を医療に活かすことが出来ないものかと、20世紀半ば頃から内科や外科に限らず様々な分野で試みが行われ、高い効果を発揮してきました。

そして、最近になってドイツで本格的なオゾン発生装置が開発されたことにより、ドイツを中心にヨーロッパ諸国の医療現場でオゾンが臨床に応用されるようになったのです。
ヒールオゾン治療の特徴
強力な殺菌力だけでなくオゾンは強力な脱臭力や漂白力も持っているため、歯科治療分野では様々な治療に応用することが出来ます。従来の歯科治療と比べても、優れたいくつもの特徴を持っているのです。
痛くない
一般的な虫歯治療と異なり、ヒールオゾン治療の場合は必要以上に歯を削ることがありません。そのため、ほとんどの場合、痛みを感じることがありません。個人差がありますが、麻酔も必要無い場合が多いです。
初期虫歯なら歯を削らずに治療出来る
エナメル質の虫歯で深さ2mm以内の初期虫歯ならば、ヒールオゾン治療なら一切歯を削ることなくヒールオゾンを照射して99%の虫歯菌を殺菌するだけで治療を完了させることが出来ます。更に、新型のヒールオゾンでは象牙質の虫歯なら6mmの深さまで殺菌することが可能となっています。
神経を残せる確率が高い
神経に達してしまっているような深い虫歯でも、歯を削ることなくオゾンで殺菌することで虫歯部分の再石灰化を促進させるため、神経を取らずに残すことが出来る確率が高まります。虫歯が神経に達しひどく痛む場合や、歯の状態によっては神経を抜く必要があることもあります。
象牙質を再生させる可能性がある
ヒールオゾンは照射することによって虫歯の殺菌が出来るだけでなく、強力な殺菌作用の化学反応によって、虫歯の象牙質のphが酸性からアルカリ性に変化するため、硬い歯質になります。MIペーストという、フッ素やリン酸カルシウムを含むミネラルペーストを併用すれば、象牙質の歯質を元に戻す再石灰化を促進することが出来ます。
詰め物や被せ物の虫歯予防が出来る
詰め物や被せ物で治療した歯の虫歯が再発してしまい、治療をやり直した経験がある方も多いのではないでしょうか。一体何故このようなことが起こるのかというと、それは虫歯菌がまだ残ったまま詰め物や被せ物をしてしまっていることがあるからです。
ヒールオゾン治療を詰め物や被せ物をする前に行うことで、虫歯菌を完全に殺菌することが出来ます。これにより、虫歯の再発予防効果を高めることが出来ます。
全ての歯の虫歯・歯周病予防を簡単に行うことが出来る
マウスピースを使うことで、ヒールオゾン治療では数十秒ほどで全ての歯の虫歯菌を殺菌することができ、更に歯周病を予防することも出来ます。
短時間で済むだけでなく痛みも全くないため、子供から大人まで、全ての方に治療を受けていただくことができます。(小学生以下のお子さんの治療は当院では行っておりません)
インプラント治療後のメインテナンスにも効果的
インプラントでは、インプラントと歯茎の境を掃除するのが難しくなっています。そのため、インプラント周りの歯茎が腫れるというインプラント周囲炎になってしまう患者様もいらっしゃいました。
ヒールオゾン治療ならば、マウスピースを使って歯茎を殺菌することで、インプラント治療後も効果的に歯茎のメインテナンスを行うことが出来ます。
矯正治療中の虫歯予防にも効果的
お口の中に矯正装置や針金などを入れる矯正治療中はどうしても歯磨きの難易度が上がるため、矯正治療中に虫歯や歯周病になってしまうという患者さんもいらっしゃいました。マウスピースを使ったヒールオゾン治療で予防すれば、むし歯や歯周病の予防効果も期待することが出来ます。
根管治療(歯の根の治療)にも効果的
気体(ガス)であるオゾンは、歯の根の細かい管にも到達することが出来るため、根管治療(歯の根の治療)にも効果を発揮することが期待出来ます。
ホワイトニング効果の促進
オゾンは歯をアルカリ性に変える作用があります。ホワイトニングには過酸化水素を使用しますが、アルカリ化はこの過酸化水素を活性化する働きを持っているのです。ヒールオゾンを歯に照射すればホワイトニング反応を早める効果を期待することが出来ます。
ホワイトスポットの改善
虫歯ではないものの、ホワイトスポットと呼ばれる前歯の一部分が白くなってしまう症状が気になっているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
壁(レイヤー)が歯のタンパク質を遮断してしまうことによって、このホワイトスポットが引き起こされることが多いとされています。
治療の効果に個人差はありますが、ヒールオゾンをホワイトスポットに照射することで、タンパク質を遮断している壁(レイヤー)を破壊することができるため、ホワイトスポットの化学的な環境に変化が起こり、再石灰化を促すことでホワイトスポットの改善効果を期待することが出来ます。
口内炎にも効果的
消毒作用やウイルスを抑制する効果も持つヒールオゾンは、口内炎などのお口の粘膜の病気に対しても効果を発揮します。オゾンには血管を広げ、血液の流れをよくする効果もあるため、治りもより早くなることが期待できます。
ヒールオゾン治療の概念について
高い殺菌力を持つオゾンを虫歯に照射することで、99%の細菌を殺菌するというのがヒールオゾン治療です。
また、細菌の殺菌だけでなくヒールオゾン治療は強力な酸化作用の化学反応により、軟化象牙質と呼ばれる虫歯菌によって軟らかくされてしまった虫歯部分のphを酸性からアルカリ性に変化させることで、歯質を硬くします。
この時にMIペーストと呼ばれるフッ素やリン酸カルシウムを含むミネラルペーストも併用すれば象牙質の再石灰化が促進されることとなります。
更に、初期虫歯ならばヒールオゾンによる虫歯菌の殺菌によって唾液中の再石灰化作用による自然治癒も期待することが出来ます。

ヒールオゾン治療の研究
ドイツのミュンヘン大学、スイスのベルン大学、英国のロンドン大学、アメリカのタフツ大学など、今まで数多くの欧米の大学や研究機関でヒールオゾン治療についての研究が行われてきました。
そして、ヨーロッパの学会において、ヒールオゾン治療は虫歯菌や歯周病菌の殺菌に効果的であるということが発表されています。
ヒールオゾン治療機の構造
高い殺菌力、そして有用性の高い物質であるオゾンですが、その反面毒性も強く、扱いが難しいというのが問題点となっていました。
ヒールオゾン治療機では、閉回路と呼ばれるシステムを使い、発生させたオゾンガスがお口の中で漏れ出したりしないように、オゾンガスの発生と分解を行っています。
旧型ヒールオゾン治療機と新型ヒールオゾン治療機の違いについて
現在、日本で用いられているヒールオゾン治療機には旧型のものと、新型のものがあります。
旧型ヒールオゾン治療機の場合、周りの空気を使用してオゾンを発生させていたため、2100ppmとオゾン濃度は低濃度となっていました。新型ヒールオゾン治療機では高濃度の酸素を使い、14400ppmという旧型の約6倍もの高濃度オゾンを発生させています。
新型ヒールオゾン治療機の登場によって、今まではオゾン濃度が低く治療出来なかった深い虫歯の症例にも対応出来るようになったのです。

マウスピースによってお口の中全体をオゾンによって殺菌することが出来る「オゾニトロン」と呼ばれる最新機種の場合、最大で192000ppmもの高濃度オゾンを発生させることが可能になっており、より高い殺菌効果を発揮します。
ヒールオゾン治療の実際(お口の中全体の初期虫歯)
ヒールオゾンによってお口の中全体の虫歯菌を殺菌したり、虫歯や歯周病予防を行うという時には、専用のマウスピースとオゾニトロンを使います。
最大192000ppmもの高濃度オゾンを発生させることが出来るオゾニトロンは、1回数10秒のヒールオゾン照射を行うだけで、お口の中全体の殺菌予防が完了するというものです。
ヒールオゾン治療の後で、MIペーストと呼ばれるフッ素やリン酸カルシウムを含むミネラルペーストを使用すれば、より効果を高められます。
ヒールオゾン治療の実際(一つ一つの歯の初期虫歯)
エナメル質の2mm以内の深さの初期虫歯ならば、ヒールオゾンを照射するだけで一切歯を削ることなく99%の虫歯菌を殺菌し、治療を完了させることが可能です。
- まずは重曹の入った水を強い圧力で歯に吹き付け、クリーニングします。
- 次に、ダイアグノデントという機器を使い、光によって虫歯の深さを測定します。
- ヒールオゾン治療機使い、60秒間オゾンの照射を行い、虫歯菌の完全な殺菌を行います。
- MIペースト(フッ素と歯の再石灰化を促進するリン酸カルシウムを含むミネラルペースト)を歯に塗布します。
ヒールオゾン治療の実際(進行してしまった虫歯)
新型ヒールオゾン治療機ならば、象牙質の6mmの深さという、深くまで進行してしまった虫歯まで殺菌することが出来るようになりました。
- 通常の治療では虫歯を削って除去しようとすると、神経まで達してしまうため神経を取り除かなければいけないような虫歯に、ヒールオゾン治療機で60秒間高濃度オゾンを照射します。
- そして、MIペースト(フッ素と歯の再石灰化を促進するリン酸カルシウムを含むミネラルペースト)を歯に塗布してから仮の詰め物をします。
- その後、1〜3ヶ月間はMIペーストをご家庭で使用していただき、歯質が硬くなって再石灰化することを待ちます。
- 1〜3ヶ月後に仮の詰め物を取って、歯質が硬くなっているのを確認出来たら本物の詰め物で治療します。
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