根管治療の意義
なぜ根管治療が大切なのか

ご自身の歯を守る上で、まず最初の1本目の歯を失わないことが非常に大切です。
当院でも入れ歯やインプラントなどの欠損補綴治療領域にも力を入れていますが、何よりも天然の歯が一番だと考えています。
歯を失って、ブリッジやクラスプと呼ばれる鉤を用いた入れ歯などで補った場合、もともと健康だった歯を削ったり負担をかけることになります。
すると、治療によって負担がかかってしまう歯の寿命も短くなってしまうリスクがあります。
このような流れで1本の歯を失うことで、他の歯にまで欠損リスクが波及してしまうのです。
当院では、根管治療によってご自身の歯を残すことで、将来の歯の健康を長期的に守ることにつながると考えております。
根管治療で歯を残すことのメリット
歯を失ってしまうと、ブリッジや入れ歯、インプラントといったいわゆる補綴治療が必要になります。これらの治療も非常に有効ですが、やはりご自身の天然の歯に勝るものはありません。根管治療によってご自身の歯を残すことには、以下のような大きなメリットがあります。
メリット 1
自分の歯で食事ができる
天然歯の噛む感覚は、歯根膜のある天然の歯ならではのもの。ご自身の歯でしっかりと食事を楽しむことでQOLを保つことが可能です。
メリット 2
周囲の歯への負担を軽減
歯を失うと、残された周囲の歯に余計な負担がかかり、将来的にさらに他の歯を失うリスクが高まることがあります。ご自身の歯を残すことで、他の健康な歯を守ることができます。
メリット 3
費用の負担軽減
インプラントなどの外科的治療に比べ、根管治療は一般的に治療費用を抑えられる場合があります。
根管治療の成功率について

日本における根管治療の成功率は30%から50%程度と言われています。これに対して欧米諸国の根管治療の成功率は、90%以上と言われています。
なぜ、日本における根管治療の成功率はここまで低いのか。
その理由として、保険診療の範囲で根管治療が実施される場合が多いことが挙げられます。
日本における健康保険制度は、誰しもがみな平等に安価に高レベルな治療を受けることができる素晴らしい制度です。
ただし、一部の診療報酬体系は現状に即しているとは言い難い状況であることも確かです。
その1つに根管治療があると考えられます。
根管治療を適切に実施するために、必要な器具を使用し、丁寧に精密に治療するために必要な時間をかけて治療をすると、歯科医院は赤字になってしまう場合もあるのです。
そのため、根管治療が必要な場合に保険で対応するとなると、必要な時間をかけきれず、設備や器具も使い切ることができない場合があり、成功率を下げてしまう要因になっていると考えています。
そこで当院では、高いレベルでの根管治療を提供するため根管治療専門に研鑽を重ねた歯科医師が、マイクロスコープやCT、ラバーダム防湿、ニッケルチタンファイルなど適切な設備とともに、精密な根管治療を提供しています。
根管治療専門医師のご紹介

こんにちは。グリーン歯科で根管治療を担当している藤林征雄と申します。
私は、大学の歯学部を卒業後大手医療法人で様々な症例に対して取り組んでまいりました。その後、鎌倉・湘南深沢エリアで40年以上の歴史を持つグリーン歯科で研鑽を積み、現在では鎌倉地域の医療に貢献できるよう努めております。
私はこれまで患者さまの口腔内の健康寿命をなるべく長くするための治療を学んできました。
歯を失う原因ランキング1位の歯周病、歯を失った際に他の歯を傷つけないインプラント、あなたの口にぴったり合う義歯、そして自分の歯を守るための治療である根管治療です。
根管治療は、正確で適切な診断と、マイクロスコープを用いて感染部位を徹底的に除去する手技、そしてそれらを支える充実した設備がいずれも重要になります。
グリーン歯科では、それらを取り揃え患者様にとって安心できる診療体制を整えております。
自分の歯を残したい、以前受けた根管治療について相談したい、そういった方からのご連絡をお待ちしております。
グリーン歯科の根管治療の特徴
根管治療専門の歯科医師が治療
歯科の大手法人で多くの患者様の治療を経験して感じたことは「患者様の歯の健康を守る治療をしたい」という想いです。
そこで私の知る限り日本国内で一番厳しいと言われる根管治療のスタディグループ(PESCJ)に所属し、根管治療を学び研鑽いたしました。
1年間で8名しか受講することができない環境で、根管治療について徹底的に学ぶ機会をいただきました。
当院の自費による精密根管治療は、藤林征雄歯科医師が直接担当させていただきます。

CTやレントゲン、視診による精密検査
根管治療に関わらず全ての治療でもっとも基本となることは、詳細な検査に基づく正しい治療計画を立案することです。
歯の神経は残せるのか?残せないのか?歯の中の根管はどのような構造になっているのか?根管治療の成功率を高めるために徹底的に検査を実施します。

マイクロースコープ利用の精密根管治療
根管治療では、根の内部を取りこぼしなく観察し感染部位が残っていないかを確認し、徹底的に除去することが大切です。
マイクロスコープを用いることによって複雑に分岐し暗い歯の根の内部まで観察することができるようになりました。
当院でも精密根管治療でもマイクロスコープを用いて治療を実施しています。

ラバーダム防湿で感染を防ぐ
根管治療は、無菌状態で治療し再発を防ぐことが非常に大切で、そのために治療する歯を唾液や細菌から隔離するためにラバーダム防湿という処置を実施します。
私が学んだ米国式の精密根管治療では、治療した歯の感染防止のため、ラバーダム防湿を積極的に利用することが推奨されており、当院でもこのコンセプトを採用しています。
ニッケルチタンファイルによる感染部位の徹底除去
ファイルとは、根管治療で感染部位を除去するために使用する器具です。
ファイルには、ステンレス製やニッケルチタン製などが存在しますが、ニッケルチタン製のファイルは、従来のステンレスファイルよりも柔軟性があり、複雑な根管にも対応できる特徴があります。
感染部位を完全に除去するために、当院ではより精密に治療できるニッケルチタンファイルを採用しています。
MTAセメントの利用
MTAセメントは、歯の神経を保存するために利用したり、根管治療時の充填材として利用したりします。
高い殺菌効果を持ち、生体親和性が高く、封鎖性も高いMTAセメントは非常に優れた歯科材料です。
当院では、歯髄温存療法や精密根管治療においてMTAセメントを利用しています。
グリーン歯科の歯内療法
歯内療法(しないりょうほう)とは、歯の内部、特に歯髄(神経や血管)や根管(歯の根の中の管)の治療を指す言葉です。
歯内療法=根管治療ということではなく、歯内療法の中の1つに根管治療という治療が存在します。
根管治療以外にも、どんな治療をおこなっているのか解説いたします。
あなたの歯を守る根管治療
根管治療は、虫歯が歯の神経まで達し、細菌感染が起きてしまった際に行う治療です。感染した神経や汚染された組織を丁寧に取り除き、根管内を徹底的に洗浄・消毒することで、歯の根の先の炎症を鎮め、歯を抜かずに残すことを目指します。これにより、ご自身の歯で長く快適に過ごせるようになります。
神経の保存を目指す歯髄温存療法
歯髄温存療法は、虫歯が神経に非常に近いものの、まだ完全に感染していない場合に行う治療です。当院では、虫歯を取り除いた後にMTAセメントで神経を保護し、歯の神経が本来持っている回復力を引き出すことを目指します。これにより、歯の神経を残すことができ、歯の寿命を延ばすことにつながります。
歯根端切除術
根管治療を施しても、歯の根の先端の炎症が治まらない場合や、根管治療が困難なケースで行われる外科的な治療です。歯ぐきを切開し、歯の根の先端部分と、そこにできた膿の袋(嚢胞)などを直接取り除きます。この治療により、感染源を根本的に除去し、抜歯をせずに歯を保存できる可能性が高まります。
再根管治療
一度根管治療を行った歯が、再度感染を起こしてしまったり、治療が不十分であったりした場合に行う治療です。以前の根管充填材を全て取り除き、再び根管内を徹底的に洗浄・消毒します。複雑な根管形態や過去の治療の痕跡があるため、通常の根管治療よりも高度な技術と時間を要しますが、歯を残すための大切な選択肢です。
根管治療の流れ
まずは現在のお困りごとや、痛み、違和感などの症状についてじっくりお話しを伺い、治療に対するご不安な点などもお聞きします。

肉眼では見えない歯の根の形、数、そして根の先の病巣の状態を、レントゲンや歯科用CTで多角的に詳細に検査します。

撮影した画像をもとに、現在の歯の状態と、どのような治療が必要か、期間や費用なども含めて丁寧にご説明し、納得いただいてから治療を開始します。

麻酔を施した後、虫歯を徹底的に除去し、歯の根管内部の感染した神経や血管、壊死した組織などをニッケルチタンファイルで丁寧に除去します。

細菌を完全に除去するため、消毒液を用いて、複雑な形状の根管内部を何度も洗浄・消毒します。この際、ラバーダム防湿を行い、歯の内部に唾液などが入らないようにしたり、装束液が口の中にこぼれないようにする必要があります。

根管内の洗浄・消毒が終わったら、外部からの細菌の侵入を防ぐために、仮の蓋をして一時的に根管を封鎖します。

根管内が清潔になったことを確認した後、再感染を防ぐため、専用の充填材(MTAセメントなど)を用いて根管内部を隙間なく緊密に埋め尽くします。

根管内部が適切に充填されているか、治療が成功しているかを確認するために、再度レントゲン撮影を行い、最終的な確認をします。

治療を終えた歯は強度が弱くなっているため、土台を立て、その上から最終的な被せ物(クラウンなど)を装着し、歯の形と機能を回復させます。

根管治療を支える設備
歯科用CT
根管の複雑な形態や病巣を三次元で正確に把握します。
デンタルレントゲン
治療前後の状態や根管の長さを精密に確認します。
マイクロースコープ
肉眼の20倍以上で根管内部を拡大し、精密な治療を実現します。
ラバーダム防湿
唾液や細菌の侵入を防ぎ、無菌的な治療環境を確保します。
ニッケルチタンファイル
柔軟性に優れ、複雑な根管にも対応し、効率的に形成します。
MTAセメント
高い生体親和性で根管を緊密に封鎖し、再感染を防ぎます。
根管長測定器
根管の正確な長さを測定し、根管充填の精度を高めます。
超音波切削機器
微細な振動で根管内を効率的に清掃・形成します。